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放影研報告書(RR) 6-99

原爆被爆者における原発性肝がん発生率に及ぼす放射線の影響

Cologne JB, 徳岡昭治, Beebe GW, 福原敏行, 馬淵清彦
Radiat Res 152:364-73, 1999
要 約
広島・長崎における原爆被爆者の1958−87年の放射線に起因する原発性肝がんのリスクについて報告する。本解析は、肝臓新生物またはその疑いがある症例(うち518例が第一原発がん例で、そのほとんどが肝細胞癌)に関する総括的な病理学的検討に基づく。原爆放射線による過剰相対リスクは線形であり、肝臓器線量1シーベルト当たり 0.81であった(95% CI[0.32, 1.43]; P < 0.001)。男性と女性の相対リスクは同程度であり、男性のバックグラウンド発生率は女性の3倍なので、放射線による過剰発生率は男性の方が著しく高かった。被爆時年齢が20代初めの人の過剰リスクが最も高かった。被爆時年齢が10歳未満および45歳以上の人では、実質的な過剰リスクは認められなかった。これが感受性の違いによるのか、または他の交絡因子に起因するのかは、コホート全体の後ろ向き調査では検討できなかった。胆管癌および血管肉腫の症例が少ないことは、アルファ線を放出する放射線造影剤トロトラストによる内部被曝とは異なり、これらのがんが放射線の全身被曝と有意に関連しているのではないことを示唆している。ほとんどの放射線関連過剰症例が男性なので、どのような原因により放射線関連の肝がんリスクが男性で高くなっているのかを確認することが重要である。