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放影研報告書(RR) 7-99

原爆被爆者におけるC型肝炎抗体陽性率および慢性肝疾患の有病率

藤原佐枝子, 久住静代, Cologne JB, 赤星正純, 児玉和紀, 吉澤浩司
Radiat Res 154:12-9, 2000
要 約
原爆放射線被曝がC型肝炎ウイルス(HCV)感染陽性率を変化させるかどうか、あるいはHCV感染後に慢性肝炎への進行を促進するかどうかを検討するため、広島・長崎の原爆被爆者から成る成人健康調査対象者6,121人について血清抗HCV抗体陽性率を調査した。血清抗HCV抗体陽性率は、輸血の既往を持つ人は2.5倍、肝臓病の家族歴を持つ人は1.2倍であったが、はり治療とは関係がなかった。抗HCV抗体陽性率は、線量0の人に比べて、線量を持つ人では低かったが(相対有病率0.84、P = 0.022)、スムーズな線量反応関係は見られなかった。しかし、これらのデータから慢性肝疾患に対する放射線量反応関係は、HCV 抗体陰性の被爆者に比べて、HCV抗体陽性の被爆者において大きいことが示唆された(スロープ比20)。結論として、抗HCV抗体陽性率と被曝線量との間に線量反応関係は見られなかったが、抗HCV抗体陽性者において、慢性肝疾患に対する放射線量反応の増加が認められた。従って、放射線被曝はC型肝炎感染に関連した慢性肝疾患の進行を促進するのかもしれない。