Menu does not appear
-- SiteMap

放影研報告書(RR) 9-99

原爆被爆者における持続的亜臨床的炎症

錬石和男, 中島栄二, Delongchamp RR
Int J Radiat Biol 77(4):475-82, 2001
要 約

目的 原爆被爆者における炎症検査と放射線量との関係を調査する。

対象および方法 対象は1988−1992年に白血球数、好中球数、赤血球沈降速度、補正赤血球沈降速度、α-1グロブリン、α-2グロブリン、およびシアル酸の炎症検査を受けた原爆被爆者である。放射線量(DS86)との関係を回帰分析で解析し、炎症性疾患における異質性、検査時の貧血、およびがん既往歴についても調べた。

結果 放射線量との関係は、白血球数(71.0 mm-3 Gy-1p = 0.015)、赤血球沈降速度(1.58 mm h-1 Gy-1p = 0.0001)、補正赤血球沈降速度(1.14 mm h-1 Gy-1p = 0.0001)、α-1グロブリン(0.0057 g dl-1 Gy-1p = 0.0001)、α-2グロブリン(0.0128 g dl-1 Gy-1p = 0.0001)、およびシアル酸(1.2711 mg dl-1 Gy-1p = 0.0001)について統計的に有意であったが、好中球数(29.9 mm-3 Gy-1p = 0.17)についてはそうではなかった。異質性は統計的に有意ではなかった。炎症性疾患の中では、慢性甲状腺炎および慢性肝疾患との関係が最も強かった。

結論 本調査により、1988−1992年の期間において、原爆被爆者における炎症と放射線量との間には統計的に有意な関係があることが示唆された。この関係は、放射線が誘発する幾つかの障害発生に核外的および傍観者的影響として寄与している可能性がある。