Menu does not appear
-- SiteMap

放影研報告書(RR) 10-99

MHCクラスI分子の発現を失った突然変異リンパ球のNKによる除去

楠 洋一郎, 京泉誠之, 本間正充, 久保美子, 大西 寿, 林 奉権, 瀬山敏雄
J Immunol 165:3555-63, 2000
要 約
MHCクラスI分子を失った突然変異リンパ球が自己のNK細胞によって除去されるという仮説を検証した。H-2b/k F1マウスでは、H-2Kb陰性T細胞の頻度はH-2Kk陰性T細胞の頻度に比べて高かった。H-2K欠損T細胞の頻度は全身放射線照射ののち一過性に上昇した。放射線照射からの回復過程で、H-2Kk陰性T細胞はH-2Kb陰性T細胞よりも早く消失した。このH2-K欠損T細胞の消失は抗アシアロGM1抗体を投与することによって阻害された。H-2Kk陰性T細胞は、H-2b/kヘテロ接合T細胞やH-2Kb陰性T細胞に比べて、試験管内で自己NK細胞に対して高感受性を示した。試験管内培養に同系のNK細胞を添加することによって、H-2Kk陰性T細胞の出現は抑制されたが、H-2Kb陰性T細胞の出現はほとんど影響を受けなかった。H-2b/d F1マウスでは、H-2Kb陰性T細胞とH-2Kd陰性T細胞の頻度に有意な違いは認められなかったが、放射線照射後の突然変異細胞の頻度は調べた系統間で異なっていた。H-2b/d F1マウスにおいても、照射後の急速な変異細胞の消失が認められ、抗アシアロGM1抗体を投与することによってその消失は阻害された。以上の結果は自己のNK細胞が自己のMHCクラスI分子を失った突然変異細胞集団を除去する直接的証拠を提供するものである。