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放影研報告書(RR) 11-99

原爆被爆者データに基づく放射線関連がんのモデル

Pierce DA, Mendelsohn ML
Radiat Res 152:642-54, 1999
要 約
放射線影響研究所により追跡調査されている原爆被爆者における過剰がんリスクの年齢・時間パターンは、放射線に起因するがんの発生機序についての特徴を示している。非常に驚くべきことに、また相対リスクから得られた印象とは逆に、多くの固形がんの過剰罹患率は被爆時年齢や被爆後経過時間にはほとんど依存せず、主に到達年齢に依存することが最近分かった。本報では、このような年齢・時間パターンと一致する機序モデルについて考察する。極めて理想化されているこのモデルの要点は次の通りである:(a)がんは生涯にわたり幹細胞に蓄積する突然変異により発生する(主にArmitage-Doll多段階モデル);(b)放射線はこのような突然変異のほとんどすべてを引き起こし得る一般的な突然変異原である。仮定(b)はモデル作成上以前に考えていたものとは異なるが、このように仮定することでデータの諸相が極めて詳細に説明できる。このモデルの長所は、Armitage-Doll多段階モデルと同様に、しかし他の多くのモデルとは異なって、パラメータ値とはおおむね独立した過剰率の特徴的な年齢・時間パターンを予測できることである。(a)のように考えた結果、Armitage-Dollモデルのように、バックグラウンド率は生涯にわたり年齢のベキ乗として増加する。(b)のように考えると、絶対過剰率は被爆時年齢に依存せず、バックグラウンド率のベキ乗より1少ないベキ乗で年齢と共に増加する。従って、これらの率の比、すなわち過剰相対リスクは、被爆時年齢に依存することなく1/年齢として生涯にわたり減少する。相対リスクのこのような年齢パターンは放影研の固形がんデータと良く一致しているが、このようなデータの解釈は、被爆時年齢が主要な役割を果たすという通常の解釈とは全く異なる。