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放影研報告書(RR) 17-99

X線照射によるRET/PTC1再構成の優先的誘発

水野照美, Iwamoto KS, 京泉誠之, 長村浩子, 篠原智子, 小山和章, 瀬山敏雄, 濱谷清裕
Oncogene 19:438-43, 2000
要 約
電離放射線は甲状腺がん誘発のリスク因子としてよく知られている。しかし、放射線誘発がん化の機構は明確ではない。RETがん原遺伝子の活性化型であるRET/PTCがん遺伝子は、甲状腺乳頭癌(PTC)にしばしば観察され、RET/PTC1、-2、-3が主要な三つのタイプとして知られている。高頻度のRET/PTC再構成が、チェルノブイリ事故後あるいは放射線治療後に見られるような放射線に関連したPTCに観察されるが、その再構成のタイプはこれら二つの集団において異なっている。我々は in vivoおよび in vitroで、X線によって特異的なRET/PTC再構成が誘発されるか否かを検討した。scidマウスに移植されたヒト正常甲状腺組織において、RET/PTC1再構成が50 GyのX線を照射後、(60日までの)観察期間を通じて優先的に検出された。一方、RET/PTC3はX線照射7日後においてのみ検出され、RET/PTC2の転写産物は認められなかった。これらの結果は in vitroの実験からも支持される。RET/PTC1再構成が4種類の細胞株において、高線量域(10, 50, 100 Gy)のX線によって線量依存的に優先的に誘発された。一方、RET/PTC3はより低い頻度で誘発され、RET/PTC2の誘発は認められなかった。これらの結果は、優先的なRET/PTC1再構成の誘発が急性X線照射により誘発される甲状腺発がんの初期の段階において重要な役割を果たしていることを示唆している。