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放影研報告書(RR) 18-99

原爆被爆者T細胞のマイトジェンに対する応答:インターロイキン2産生能の低下は高線量被爆者のT細胞において顕著である

楠 洋一郎, 林 奉権, 森下ゆかり, 山岡美佳, 牧 真由美, 箱田雅之, 児玉和紀, Bean MA, 京泉誠之
Radiat Res 155(1):81-8, 2001
要 約
原爆被爆者やチェルノブイリ核施設事故被災者ではCD4+ Tリンパ球画分の減少と数種類の血清免疫グロブリン値の上昇が報告されている。細胞性免疫に対する核分裂放射線の長期影響をより詳しく調べる目的で、0.005 Gy未満に被曝した原爆被爆者251人と 1.5 Gy以上被曝した被爆者159人のT細胞応答性の解析に末梢血単核細胞分画を用いた限界希釈解析法を適用した。フィトヘマグルチニン(PHA)に反応し、添加されたインターロイキン 2(IL2)存在下で増殖能を有するCD2陽性細胞の割合には、遠距離被爆者と高線量被爆者の間にほとんど差異は認められなかった。高線量被爆者では、コンカナバリンA(Con A)に反応して増殖能を有するT細胞の頻度と、IL2産生能を有するT細胞の頻度が、いずれも低下していた。Con Aに反応してIL2を産生できる細胞は主にCD4 T細胞であると仮定して、調べたCD4 T細胞集団の中で実際にIL2を産生していた細胞がどのくらいあったか推定できる。その結果、高線量被爆者からの血液成分では、遠距離被爆者のそれに比べて、Con Aに反応しIL2を産生するCD4 T細胞が有意に少ないことが示された。このことから、高線量の原爆放射線被曝によってCD4 T細胞集団のIL2産生能に長期にわたる悪影響がもたらされたと推察される。