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解説・総説シリーズ(CR) 1-04

解説:放射線発がんの機序モデルならびに原爆被爆者に関するデータ

Pierce DA
Radiat Res 160(6):718-23, 2003
要 約
最近、Heidenreichら(Radiat Res 158:607-17, 2002)は、放射線影響研究所(放影研)の原爆被爆者コホート調査の規模は様々な発がん機序を識別するには十分な大きさではないと示唆した。少なくとも現在の追跡調査に関しては、これはある程度正しいが、具体的な問題は彼らの示唆とは異なっていると考える。特に、様々なモデルは、大きく異なった過剰リスクのパターンを推定しながらもデータにほぼ同等に当てはまると彼らは示唆しており、このことはこれらのパターンの特徴を合理的に解析することができないことを意味しているが、これは正しいとは思わない。この論文においては、彼らのデータ解析法に対する批判を具体的に挙げて、機序モデルを用いた手法についてより一般的な解説をする。重要な差はあるとしても、二つの主要な手法には類似点があるかもしれないこと、また、主な違いは設定した仮定にではなく、モデルを使う目的にあるかもしれないことを楽観的な注釈として付け加えたい。

(c) 2003 by Radiation Research Society
Radiation Research Society の許可を得て掲載した。
放射線誘発がんリスクの年齢−時間パターン:その性質および根拠
Pierce DA
J Radiol Prot 22(3A):A147-54, 2002
要 約
放射線防護の観点から、また科学的な理由で、放射線誘発がんリスクの年齢―時間パターンの理解は重要である。これは急性被曝に関してでも驚くほど難しく、長期被曝では更に困難である。ここでは、原爆被爆者における固形がんに関して、放射線誘発がんリスクの年齢−時間パターンについての最新情報を提供し、その記述および解釈に伴う問題点を幾つか指摘する。そして、突然変異の蓄積に関する確率論的な検討事項を取り上げるが、それがこれらの問題点に対処する上で一助となるかもしれない。これらの検討事項は非常に単純化されており、その結果は、記述的解析の主たる基盤としてではなく、主に手引きとしてのみ用いられるべきである。関連する確率論的なモデルのパラメータの値とは独立した情報が得られるので、これらの検討事項は本件の理解に特に適している。

Pierce DA, Age-time patterns of radiogenic cancer risk: Their nature and likely explanations, (c) 2002 IOP Publishing Ltd, Institute of Physics Publishing の許可を得て掲載した。