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解説・総説シリーズ(CR) 3-89

相対リスクモデルにおける過剰生涯リスクの計算

Vaeth M,Pierce DA
Environ Health Perspect 87:83-94, 1990
要 約
放射線被曝の影響を評価する場合には、通常、一定の線量に被曝した集団における過剰生涯発癌リスクという形で最終結論が提示される。本研究は、主としてこのような過剰生涯リスクの計算及び関連リスクの予測法にかかわる幾つかの重要な問題と不確実性とに焦点を合わせた方法論的研究である。癌死亡率に及ぼす放射線被曝の影響を説明するために、広島・長崎の原爆被爆者コホートの追跡調査で観察した癌死亡率についての最近の解析に使用した、一定年齢相関リスクモデルを用いた。この種のモデルでは、過剰相対リスクは観察年齢でみると一定であるが、被爆時年齢によって変化する。

過剰生涯リスクの計算には、通常、かなり複雑な生命表計算が必要である。ここでは、過剰生涯リスクの簡単な近似式を提案し、低線量被曝における近似式の有効性を、経験的、理論的に証明した。この近似式は、リスク予測に関わる諸因子の影響を理解する上で重要な指針となった。なお、この他に、潜伏期間の影響、過剰生涯発癌リスクの部位別算出にかかわる 2,3の問題、過剰相関リスクが横ばい又は高原状態になったとき起こる問題、及び、ある集団の結果を別の集団に当てはめるときの不確実性について検討した。

本研究は主として、1回の瞬間的被曝に関するものであるが、低線量継続被曝についても簡単な考察を加えた。