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解説・総説シリーズ(CR) 4-92

特定発癌因子曝露に関連した癌発生の時間的分布の推定

Carter RL,Sposto R,Preston DL
要 約
特定発癌因子曝露に関連した癌発生の時間的分布は、発癌機序の研究に関係して意味を持つ。しかし、腫瘍発生までの時間のデータから適切な情報を抽出する統計的方法は十分確立されていない。「前腫瘍状態」と実際の発生との区別、および当該因子以外の原因による発生例の混在という二つの問題に対応しなければならない。本報告では、研究期間中に観察された特定の曝露関連癌症例について、その条件付き分布および無条件分布の両方を推定する方法を示す。これらの方法は、当該因子以外の原因による発生例の交絡影響と、腫瘍発生までの時間と発生率との関係について補正を行うものである。二つの可能な方法を提案する。第一の方法は、理論由来の構造モデルに基づいており、関心の対象となっている事象の分布について直接的な推論を行うが、より専門的なソフトウェアを必要とすることが多い。第二の方法は、発生率の通常のモデル化に基づいたものであり、容易に入手可能で、使いやすいコンピュータ・ソフトウェアを用いる。しかし、曝露量や他の共変量の影響に関する推量がいつも直接できるわけではない。これらの方法の使用法を示すため三つの例を挙げ、どの方法を選択するかに関する基準を提案する。第一のアプローチでは、関心の対象となる事象がログ・ロジスティック分布に従うものとして、224Ra注射を受けたドイツ人の患者群における骨肉腫発生までの時間を解析した。男性原爆被爆者における慢性骨髄性白血病発生までの時間の解析において、同様にログ・ロジスティック法を用いた。代案とした通常のモデル化を用いたアプローチにより、男性原爆被爆者において 1950年10月1日から 1985年12月31日までの間に発症した被曝関連の急性骨髄性白血病の条件付き分布を推定した。組分けした生存率データを解析するため、ポアソン回帰法を利用してすべての解析を行った。