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解説・総説シリーズ(CR) 6-92

原爆被爆者の死亡診断書診断と剖検診断の一致率について

Ron E,Carter RL,Jablon S,馬淵清彦
Epidemiol 5:48-56, 1994
要 約
原爆傷害調査委員会/放射線影響研究所の 5,000件以上の剖検例を用いて、数種類の疾病分類項目を選んで死亡診断書の正確度を調べるとともに、潜在的な修飾因子が正確度に及ぼす影響を調査した。12種類の死因分類項目全体では、死亡診断書と剖検診断の一致率はわずかに 52.5%であった。今回の調査では、新生物の(死亡診断書上での)発見率(detection rate)が最も高いと認められたが、それでも剖検で癌と診断された例の 25%が死亡診断書では洩れていた。新生物と外因死についてのみ確認率(confirmation rate)と発見率が 70%以上であった。感染症および寄生虫症、ならびに心臓およびその他の血管疾患の確認率は 50%から 70%の間であり、発見率も感染症および寄生虫症、脳血管疾患および消化器系の疾患はほば同程度であった。脳血管疾患を除くすべての疾病で特異度(specificity)は 90%以上であった。

全般的に一致率は死亡時の年齢が高くなるにつれ滅少し、病院以外で死亡した場合の方が低かった。一致率は最近になるほど高いという傾向がある程度示唆されたが、線量、性、居住する市の違いや 2年に1度の成人健康調査への参加の有無が一致率に影響を及ぼすという、兆候は見られなかった。死亡診断書診断の不正確さは、健康の調査やその計画立案の多くの面に深くかかわるものなので、死亡診断書の診断の正確度が低いということと、それが死亡時の年齢や場所によって大きく変動しうることを認識することが重要である。