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解説・総説シリーズ(CR) 2-93

ランダム効果および一般共分散構造を持つ二つの成長曲線モデルに基づく身長の経時測定値の数値的比較

大竹正徳,中島栄二,藤越康祝,Carter RL,田中章司郎,久保佳子
J Jpn Stat Soc 24(1):1-14,1994
要 約
ランダム効果共分散構造および一般共分散構造を持つ2つの成長曲線モデルにより、10歳から 18歳までの 455人の身長を年1回測定した完全なデータセットについて数値的比較を行った。ランダム効果共分散構造の場合の回帰係数推定量の分散共分散行列の成分は、一般分散共分散行列の場合のこれらの成分より対角行列の成分の比が 1.1倍から 3.0倍の範囲で大きく、また1つの非対角行列の比も 2.4倍大きかった。2つの非対角行列のこれらの成分の比は、符号が異なっているすべての成分について絶対値で表すと 2.7倍と 4.3倍であった。この2つの非対角行列の場合の成分の差の絶対値は小さく、検定統計量は男女差を除いてほとんど同じであった。2つのモデルによって得られた結果は、このデータセットの解釈に当たって2つのモデルが共に有効であることを示している。ここで使用したデータでは、検査時年齢 10歳から 18歳の女性については年1回測定データへの適合は、一般のモデルがランダム効果モデルよりもより良いようである。検査時年齢 16歳から 18歳の男性では観測値と期待値間の適合度は一般のモデルの方が良い。一方、検査時年齢 10歳から 15歳の男性ではランダム効果モデルがより良く適合する。適合度の尺度として、455例の完全なデータセットに対するランダム効果共分散構造の場合のAkaike Information Criterion(AIC)値は 20,953.76であった。一方、一般共分散構造の場合のAIC値は 19,013.40であった。ランダム効果モデルでは 4以上測定値のある 1,264例の不完全なデータセットの利用が可能である。しかしながら、得られた結果は完全なデータセットについての結果とほとんど同じであった。