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解説・総説シリーズ(CR) 1-98

原爆被爆者とその子供の血液型頻度

和泉志津恵,Preston DL,Ohara JL,Hamilton HB

要 約
目的
 原爆被爆者とその子供の遺伝的背景を遺伝学的および疫学的に調査することは重要である。今回、このコホートにおける4つの血液型(ABO式、MNS式、Rh式、Kell式)の頻度について調査した。

対象および方法 原爆被爆者とその子供の大規模な固定コホートから得られた血清学データを使用して、4つの血液型の表現型頻度と対立遺伝子頻度を推定し、Hardy-Weinbergの均衡(HWE)からの離脱の検定をおこなった。また、広島・長崎両市間および世代間の頻度の違いについての検定もおこなった。

結果 ABO式(AがA1とA2に細分類されるとき)、MNS式、Rh式血液型において、HWEからの統計的に有意な離脱が、両コホートで認められた。原爆被爆者の子供たちのABO式血液型以外の対立遺伝子頻度では、これらの3つの血液型について両市間で統計的に有意な相違が認められた。また対立遺伝子頻度は、世代間において有意な相違は観察されなかった。

結論 ここで見られた小さな変動は、近親交配、分類の誤りや対立遺伝子の異型の存在によるかもしれない。概して原爆被爆者の血液型頻度は、すでに報告されている他の日本人集団と比べて著しい相違は認められなかった。