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寿命調査 第12報 第2部

RR番号 11-98
原爆被爆者の死亡率調査 第12報,第2部 がん以外の死亡率:1950−1990年

清水由紀子, Pierce DA, Preston DL, 馬淵清彦
Radiat Res 152:374-89, 1999
要 約
この報告書は、放射線影響研究所の寿命調査集団のうち、被曝線量が推定されている 86,572人の原爆被爆者におけるがん以外の死亡率調査の最新報告である。この調査集団における1950年10月1日から1990年12月31日までのがん以外の疾患による死亡者について主に解析を行った。死亡者数は、前回の報告よりも 30%多い 27,000人以上であった。今回の解析結果は、放射線量と共にがん以外の疾患の死亡率が統計的に有意に増加するという前回の解析結果を強化するものであった。有意な増加は、循環器疾患、消化器疾患、呼吸器疾患に観察された。1Svの放射線に被曝した人の死亡率の増加は 約10%で、がんと比べるとかなり小さかった。しかし、この集団における1990年までの放射線に起因するがん以外の疾患の推定死亡数(140−280)は固形がんの 50%−100%であった。今回のデータからはっきりした線量反応曲線の形を示すことはできなかった。つまり、統計的に非直線性を示す証拠はなかったが、<0.5 Svでは、リスクが無視できるほど小さいか0である線量反応曲線にも矛盾しなかった。同様に、過剰相対リスクは被爆時年齢および年齢によって異なっているが、その変動は統計的には有意ではなかった。リスクが小さいこと、および説明できる生物学的メカニズムがないことを考えて、今回の結果が、死因の誤分類、交絡因子、セレクションによって説明できるか否かについて特に留意したが、現在までに得られているデータでは、観察された線量反応関係をこれらの要素では十分に説明できないように思われた。有意な線量反応関係は血液疾患による死亡にも認められ、過剰相対リスクは固形がんの数倍であった。白血病またはその他のがんをがん以外の血液疾患へ誤分類した結果ではないかという可能性に特に注意を払ったが、この血液疾患の過剰リスクは誤分類では説明できなかった。初期の報告と同様、自殺の死亡率は放射線量の増加と共に減少していた。