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業績報告書(TR) 12-85

電気泳動で日本人に検出されたヒト赤血球triosephosphate isomeraseの3例の新しい変異型の特性について

浅川順一,佐藤千代子
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Biochem Genet 24:131-48, 1986
要 約
電気泳動で検出された ヒト赤血球 triosephosphate isomerase(TPI)の3例の新しい変異型を部分精製し、その安定性、カイネティックス及び免疫学的特性について、正常型アイソザイムと比較を行った。TPI 2HR1 は陽極方向に移動する変異型であるが、その酵素活性は著しく低かった。表現型TPI 1-2HR1 を呈する発端者の赤血球中での酵素活性値は、正常平均値の 約60%であった。この変異型アロザイムは、グアニジン変性試験において正常型に比べ、より不安定であったがカイネティックスについては正常であった。TPI 2NG1 は正常な酵素活性を伴った陽極方向に移動するアロザイムであるが、55℃及び 57℃において非常に熱不安定であった。このアロザイムは pH 5及び pH 10緩衝液中での安定性試験において正常型に比べ非常に不安定であったが、そのカイネティックス及び免疫学的特性は正常であった。陰極方向に移動する 変異型TPI 4NG1 の酵素活性、カイネティックス及び免疫学的特性は正常であったが、pH 5緩衝液中では正常型に比べ、より安定であった。これら変異型の個々の特性は、遺伝的なものであることが家族調査により明らかとなった。精製したアイソザイムについて2次元電気泳動を行った結果、変異型と正常型の間に分子量方向の差は認められず、このことは、これら変異型は単一アミノ酸置換により生じたものであることが示唆される。