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業績報告書(TR) 19-85

寛骨傍臼部の石灰化性腱周囲炎:そのレントゲン学的特徴

川嶋 明,村山貞之,大内田敏行,Russell WJ
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Skeleta Radiol 17:476-82, 1988
要 約
石灰化性腱周囲炎と os acetabuli は股関節レントゲン撮影の読影上、長い間混同されていた。このような混乱は医学文献においても知られるところである。本研究では、経時的レントゲン撮影像に見られる進行と消退によってこの2つの疾患を鑑別した。

110名の対象者(男性 59名、女性 51名)に、寛骨臼部周囲の石灰化 137例を認めた。最初に検出された時点の平均年齢は 46.8歳であった。そのうち 26名の対象者に腰痛があったが、それは恐らく無関係であろう。また、21名に椎間狭窄、側弯症、脊椎分離症などの異常が認められた。これらは対象者がもっていた何らかの症状の原因であったかもしれないが、問題となるレントゲン写真が撮られた際には、股関節の局所症状を訴えた対象者は 1名もいなかった。

これらの石灰化の 93例を一連のレントゲン写真によって検討した。そのうち 90例に石灰化の大きさと形状の経時的変化を認めたが、これは石灰化性腱周囲炎の潜在型を示唆するものであった。残る 3例は経時的変化を示さず、それらは二次骨化中心、いわゆる os acetabli であることが示唆された。この研究によって、無症状の成人にみられる大部分の寛骨傍臼部の石灰化は、実際は os acetabli ではなく、石灰化性腱周囲炎であることが分かった。