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業績報告書(TR) 2-86

機能亢進症,腫瘍および正常のヒト甲状腺に由来する上皮細胞の初代培養系における放射線感受性

Miller RC,平岡敬生,Kopecky KJ,中村 典,Jones MP,伊藤利夫,Clifton KH
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Radiat Res 111:81-91, 1987;広島医学 41:1562-9,1988
要 約
63人の患者から得た甲状腺の手術摘出組織を、試験管内培養した後 X線照射して、種々の疾病状態にある甲状腺上皮細胞の放射線感受性を調べた。合計76例の試料が得られ、それらには乳頭癌(PC)患者、あるいは濾胞腺腫(FA)患者由来の腫瘍細胞、甲状腺機能亢進症(HY)患者由来の細胞、及びPC、FA患者の摘出組織周辺部より得た正常細胞が含まれる。細胞の培養は、主に上皮細胞を生じることの明らかにされている手法に従った。コロニー形成法による実験の結果、HY及びFA患者由来の細胞は最も放射線に対する感受性が低いことが分かった。コロニー形成率を相乗平均の 5.5%に補正したとき、平均致死線量D0はHY患者由来細胞では 97.6cGy、FA患者由来腫瘍細胞では 96.7cGy、正常細胞では 94.3cGyであった。PC患者の細胞は放射線感受性が高く、正常細胞は補正平均D0値が 85.0cGy、またPC細胞は統計的に有意に低い(p=.001)平均D0値 74.4cGyを示した。細胞の種類によってこれらの変動があることを考慮すると、試験管内の放射線感受性は手術時年齢(p=.82)あるいは性(p=.10)により影響を受けないことが示された。これらの結果は、甲状腺悪性腫瘍細胞は放射線に特に感受性が高いかもしれないことを示唆している。