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業績報告書(TR) 12-86

広島・長崎原爆被爆者の肺癌発生率,1950−80年

山本 務,Kopecky KJ,藤倉敏夫,徳岡昭治,門前徹夫,西森一正,中島栄二,加藤寛夫
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。J Radiat Res (Tokyo) 28:156-71, 1987
要 約
原爆被爆者とその対照者のコホートにおける 1950年から1980年までの肺癌発生率について調べた。1,057症例が確認され、そのうち 608例の診断は何らかの形で病理組織検査をしたもので、442例は今回調査に携わった研究員が確認したものである。組織型の分布をみると男女間に有意な差異があり(p<.001)、女性では腺癌、男性では類表皮癌、小細胞癌の発生頻度が高い。原発部位の分布には男女間に有意な差異はなかった。肺癌の相対危険度(RR)は原爆放射線量に伴って増加しており(p<.0001)、1978年に改訂された 1965年暫定推定線量(T65DR)と線形RRモデルによれば、100radでの推定RR(±SE)は 1.41±0.09である。広島の被爆者では女性の放射線による過剰RRは男性のそれのほとんど 2倍に達する(p=.06)。RRは被爆時年齢が下がるにつれて増加しているが(p=.07)、こうした効果を考慮してもRRが到達年齢に応じて系統的に変動するという有意な証拠はない。小細胞癌は腺癌や類表皮癌より放射線に対して幾分か高い感受性を示したが、組織型別RR関数の変動は統計的に有意ではない(p=.44)。