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業績報告書(TR) 3-87

ヒト肺腺癌に対するモノクローナル抗体KL-3およびKL-6:2.血清および胸水中の可溶性抗原の検出

河野修興,秋山實利,京泉誠之,箱田雅之,小武家暁子,山木戸道郎
要 約
ヒト肺腺癌細胞株VMRC-LCRを免疫原として、KL-3と KL-6の2つのモノクローナル抗体を作製した。KL-3抗体とKL-6抗体により認識される抗原決定基は両者とも糖鎖であると思われた。胸水中のこれら可溶性抗原の分子量は1,000K以上であった。血清中のKL-3抗原値の上昇は、胃癌患者及び膵臓癌患者にのみ認められたが、KL-6抗原は、肺癌(特に進行した腺癌)、膵臓癌及び乳癌の患者の血清中で異常高値を示した。肺やその他の臓器の良性疾患においては、広範な肺障害を示す活動性肺結核患者の血清のみが、顕著に高いKL-6抗原値を示した。また、血清中のKL-6抗原値は、血清中のCEA、CA19-9及びCRPの値やBSRとも相関を示さなかった。胸水においては、KL-3抗原及びKL-6抗原値の上昇を示す肺腺癌例の頻度はそれぞれ 76%と 82%であったが、結核及びコレステリン胸膜炎に由来するような非悪性胸水は、ほとんど正常な抗原値を示した。

これらのモノクローナル抗体の認識する可溶性抗原は、ほかの腫瘍マーカーと併用することにより、腫瘍診断並びに腫瘍の進行度の判定において臨床的に有用であるかもしれない。