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業績報告書(TR) 13-87

被爆者の膀胱移行上皮の病理組織学的変化についての剖検的研究,1960−83年

江藤良三,石丸寅之助,徳永正義
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Hiroshima J Med Sci 37:11-15, 1988
要 約
ABCC−放影研の寿命調査拡大集団の中で、原爆被爆者の病理学調査の対象で、1960年から1983年の間に剖検調査を行ったのは 4,499名であった。推定被曝線量(T65D)100rad以上を受けた高線量被爆者 370例のうちから、本研究目的に沿う膀胱上皮の保存状態が良好な72例(約20%)を抽出して Index群とした。非被爆群から都市、性、死亡時年齢、死亡年度を Index群と合致させた者を、同数抽出して対照群とした。ただし、Index群及び対照群ともに、上皮の自己融解の著明な症例及び病理学的に膀胱癌と診断された症例は、調査対象から除外した。これら72組の剖検例について、膀胱上皮の病変、すなわち、過形成、異形成、上皮内癌の有無を病理学的に検索し、その出現頻度を case-control研究 の design に基づいてχ2検定により、統計的に比較した。

上皮内癌及び高度異形成は、Index群、対照群とも探知されなかった。Index群のリスクは過形成、異形成(軽度及び中等度)の発現率とも対照群に比較して相対的に高率であり、特に乳頭状過形成の相対リスクは 4.0であったが、症例の総数が少ないため統計的有意差は認められなかった。