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業績報告書(TR) 18-87

原爆被爆者における突然変異体細胞頻度の上昇

箱田雅之,秋山實利,京泉誠之,阿波章夫,山木戸道郎,大竹正徳
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Mutat Res 201:39-48, 1988
要 約
Hypoxanthine guanine phosphoribosyltransferase(HPRT)活性を欠損した突然変異T細胞の原爆被爆者末梢血における頻度を、以前報告した直接クローニングアッセイ法を用いて測定した。30名の被爆群(1rad以上被曝)及び 17名の性、年齢をマッチさせた対照群(1rad以下被曝)について結果の解析を行った。突然変異細胞頻度(Mf)の平均は被爆群(5.2×10-6、範囲:0.8−14.4×10-6)において 対照群(3.4×10-6、範囲:1.3−9.3×10-6)に比し、有意に高値であった。これは非突然変異細胞のクローニング効率が被爆群において低値であったことによるものではない(非突然変異細胞のクローニング効率は被爆群及び対照群においてほぼ同一であった)。T65D暫定被曝線量を用いた当初の解析では、個人のMfと線量の間には有意な相関は認められなかったが、Mfとリンパ球の染色体異常頻度との間には有意な正の相関が認められた。新しいDS86改定推定線量を用いて 27名の被爆群と 17名の対照群について再解析を行ったところ、T細胞Mfと線量との間には有意な、しかし浅い正の相関が認められた。これらの結果は生体内でヒトT細胞に生じたHPRT突然変異が、40年を経てもなお原爆被爆者から検出可能であったことを示している。