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業績報告書(TR) 4-88

原爆放射線胎内被爆児における発癌リスク,1950-84年

吉本泰彦,加藤寛夫,Schull WJ
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Lancet 2:665-9,1988
要 約
広島・長崎の原爆胎内被爆児における 40年間の発癌リスク(発生率)を調査した。死亡だけに限定した前回の報告に 8年間の追跡期間を追加することになる。生後14歳までに観察された小児癌はわずかに 2例だけであった。2例とも高線量に被曝している。それ以降にみられる癌はすべて成人期の癌であった。0.30Gy以上の線量群で観察された癌は 0Gy線量群の症例より早期に発生しているだけでなく、増加を続けている。被爆40年後、0.30Gy以上の線量群の累積発生率は、0Gy線量群の 3.9倍になる。1986年線量推定方式(DS86)で推定されている母親の子宮における吸収線量によれば、1950−84年の観察期間では、1Gy被曝線量での相対危険度は 3.77で、その 95%信頼区間は 1.14〜13.48になる。0.01Gy以上のすべての被曝線量群における 10万観察人年-gray当たりの平均過剰リスクは 6.57(0.07〜14.49)で、また同群における寄与危険度は 40.9%(2.9%〜90.2%)である。胎児線量で評価することを考えれば、これらの結果は胎内で被曝した者のほうが出生後に被曝した者(少なくとも成人で被曝した人)に比べて放射線誘発癌に対する感受性が高いことを示唆している。しかしながら、確定的な結論を出すにはまだ追跡調査をする必要がある。