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業績報告書(TR) 13-88

電離放射線胎内被曝と痙攣発作

Dunn K,吉丸博志,大竹正徳,Annegers JF,Schull WJ
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Congenital Anomalies 29:309-20,1989 ; Am J Epidemiol 131:114-23,1990
要 約
痙攣の発生は、脳発達障害の後遣症としてしばしば認められる。したがって、放射線による脳障害のある子供は、障害のない子供に比べて痙攣発作が多いと予想される。今回の報告では、広島・長崎の原爆胎内被爆者における痙攣の発生率、及びその種類と被爆時の胎内発達期との関係について述べる。痙攣発作に関する病歴は、2歳のときから2年に1回の割合で実施した定期検診の際に入手された。これらの臨床記録に基づいて、痙攣を発熱性のものと原因不明のもの(急発原因のないもの)に分類した。胎児線量は、DS86線量計算方式に基づいて計算した母親の子宮線量に等しいと仮定した。

受胎後0〜7週齢の被爆者では、線量が 0.10Gy以上であっても痙攣発作の記録は認められなかった。受胎後8〜15週齢の被爆者では、痙攣発作の発生率が最も高いと認められたのは、線量が 0.10Gy以上の被爆者であり、胎児線量と痙攣発生率の間に線形関係を認めた。このことは、原因不明の痙攣発作についても、また、発熱あるいは急発原因の存在とは無関係にすべての痙攣についても認められた。しかし、重度精神遅滞者 22名を除けば、痙攣増加の有意性は示唆的であるにすぎず、しかも、それは原因不明の痙攣についてのみに認められた。それ以後の胎内発達期の被爆者には、痙攣の増加は記録から認めることができなかった。

受胎後8〜15週齢の被爆者における原因不明の痙攣発作のリスク比は、重度精神遅滞者を含めた場合、被曝線量 0.10〜0.49Gy群において 4.4(90%信頼区間0.5〜40.9)、被曝線量 0.50Gy以上の群で 24.9(4.1〜191.6)であり、除外した場合、それぞれ 4.4(0.5〜40.9)及び 14.5(0.4〜199.6)であった。