Menu does not appear
-- SiteMap

業績報告書(TR) 19-88

各特定線量群中で例外的な染色体異常頻度を示す原爆被爆者における生体内突然変異T細胞の頻度の線量群別解析

箱田雅之,秋山實利,平井裕子,京泉誠之,阿波章夫
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Mutat Res 202:203-8,1988
要 約
本研究の目的は、特定の線量を受けた原爆被爆者におけるHPRT- T細胞突然変異と染色体異常の間に正の相関関係があるかどうかを調べることであった。これにより、放射線感受性に個人差があるか否かを知ることができるであろうと考えた。方法としては、染色体異常率が異常に高いか又は低い被爆者におけるT細胞突然変異体頻度(Mf)を、放射線量との関連で比較した。4つの線量群(1−99、100−199、200−299、300+rad)別に、染色体異常頻度が異常に高い被爆者及び異常に低い被爆者を同数ずつ選択した。各線量群に選択された総数はそれぞれ 8名、8名、8名及び16名であった。各線量群内における染色体異常頻度の高い者と低い者の平均線量は極めて類似していた。染色体異常高頻度群と低頻度群との間のT細胞Mfの差に関しては、線量別に層化した頻度の対数に対してt検定を行った。高異常頻度群のMfは低異常頻度群のMfより有意に高かった(p=0.01)。しかし、この正の相関関係の少なくとも一部は線量推定値の不正確性により説明できる。すなわち、推定線量が同じでも、異常頻度が高い者の方が低い者より真の線量が高いと予想されるからである。推定線量が同程度の被爆者のMfと染色体異常との間に見られる正の相関関係が、線量推定値の不正確性により完全に説明できるかどうかは現在のところ情報が十分でない。