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業績報告書(TR) 8-89

二人のブル−ム症候群患者におけるグリコフォリンA遺伝子座の変異赤血球頻度

京泉誠之,中村 典,武部 啓,巽 紘一,German J,秋山實利
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Mutat Res 214:215-22,1989
要 約
MN血液型は赤血球表面に存在するグリコフォリンA(GPA)という糖タンパク質によって決定され、M型とN型の相違はアミノ末端領域における二つの異なったアミノ酸の存在による。GPAに特異的な2種の蛍光標識モノクローナル抗体を用いて、MNヘテロ接合型赤血球におけるGPA-M及びGPA-N対立遺伝子の体組胞突然変異をフローサイトメトリーにより定量的に測定することができる。我々は二人のブルーム症候群(BS)患者について検討した結果、変異体は一つの対立遺伝子の発現を欠損している(単純な遺伝子不活化あるいは欠損)か、又は一つの対立遺伝子について正常レベルの二倍量発現をしている(おそらく体細胞組み換え)か、のいずれかであり、それらは103個の赤血球当たり 1〜3個の頻度で生じていることがわかった。BS患者における赤血球のフローサイトメトリーでは、一つのGPA対立遺伝子の発現が中間的レベルを示す変異体を特徴とするsmear様のパターンを呈した。このことは実際の変異体頻度は測定値より大きいことを示している。一方、BS遺伝子をヘテロにもつ親は正常範囲内(1〜8×10-5)の変異体頻度を示した。これらのデータは、BS患者の高発癌傾向は自然突然変異及び体細胞組み換え頻度の増加に起因しているという仮説を強く支持するものである。