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業績報告書(TR) 14-89

原爆被爆生存者における血清フェリチンと胃癌リスク

秋葉澄伯,錬石和男,Blot WJ,兜 真徳,Stevens RG,加藤寛夫,Land CE
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Cancer 67(6):1707-12,1991
要 約
1973−83年に広島と長崎の原爆被爆者固定集団から発生した 233例の胃癌症例と 84例の肺癌症例及びその対照 385例について、1970−72年及び 1977−79年に採られた保存血清を用いて、血清フェリチン、トランスフェリン、セルロプラスミンレベルを免疫学的に測定した。解析の結果、胃癌のリスクが血清フェリチンレベルの低い者に増加していることが判明し、対象者をフェリチンレベルに基づいて 5つの群に分けた場合、最低値群では最高値群に比ベ、3倍以上の胃癌リスクの上昇が認められた。血清フェリチン濃度の平均値は、胃癌群ではその対照群に比べ 8%低かった。リスクは、採血と胃癌の発生との間の期間の長さにかかわらず高くなっており、胃癌発生の 5年以上前に採られた血清において血清フェリチン濃度の低値を示した者にもリスクは高かった。また採血の 約10年前及び胃癌診断の25年前に無酸症の有無が検査されているが、このデータを用いて解析したところ、無酸症と血清の低フェリチンの存在が胃癌の強いリスクマーカーとなっていることが分かった。トランスフェリンやセルロプラスミンは、胃癌リスクに対し、フェリチンと独立した影響はもっていなかった。肺癌リスクはこれら3つの血清蛋白と関連していなかった。