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業績報告書(TR) 15-89

ヒトの放射線感受性の多様性の真偽:末梢血リンパ球を用いたコロニー形成法による調査

中村 典,久代淳一,Sposto R,秋山實利
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Mutat Res 234:15-22,1990 ; Radiat Res 125:326-30,1991
要 約
試験管内のヒトTリンパ球コロニー形成に関する2つの方法、並びにその方法を用いたヒトの放射線感受性の個人差に関する調査としての線量生存率実験について記す。はじめの方法(方法1)では非照射リンパ球のコロニー形成率(CE)は 10%〜40%であった。実験条件の改良によりCEは 30%以上となった(方法2)。試験管内でのX線照射を行った場合、90%の細胞を殺すのに必要な線量(D10)は、方法1では、同一対照人由来リンパ球の 18回の反復実験の結果、2.87±0.28Gy(平均±SD)であった。方法2では D10は同一対照人の 28回反復実験の結果 3.66±0.21Gyと大きくなり、また異なる 31人の結果は 3.58±0.19Gyであった。これらの同一人の反復調査結果と、異なる人についての1回ずつの調査結果を分散分析すると、後者で変動が有意に大きいということはなかった。この結果は少なくともG0期リンパ球に照射してコロニー形成能力の喪失を指標として調査する限りは、ヒトの放射線感受性の多様性は、もしあるとしても大変小さなものでしかないという仮説を支持するものである。