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業績報告書(TR) 5-90

T cell receptor γδを発現する末梢血CD4+ T cell cloneの分離と部分的解析

京泉誠之,秋山實利,平井裕子,楠 洋一郎
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Immunol Letters 29:197-204, 1991
要 約
ヒトのT細胞抗原受容体(TCR)は 2種類報告されている。1つはα鎖とβ鎖、他方はγ鎖とδ鎖のポリペプチドからなるへテロダイマーである。γ鎖とδ鎖で構成された TCR(TCRγδ)を細胞膜表面に発現しているT細胞は、末梢血T細胞の 1%−10%を占めている。そして TCRγδを発現しているT細胞のほとんどはT細胞の機能的マーカーである CD4と CD8分子の両方を欠いている。最近になって、TCRγδ型のT細胞のうち非常にわずかの割合(5%以下)で、CD4分子をもつT細胞が末梢血中に存在することが報告された。しかしながら、これらの細胞の性状については何も分かっていない。更に、咋年9月の J. Exp. Med. に胎児肝(胎児では肝臓は造血臓器である)に、この TCRγδ型の CD4分子を発現するT細胞が、TCRγδ型細胞の 20%も存在することが発表されたが、免疫学的な機能については何も報告されていない。我々は原爆被爆者の末梢血リンパ球の亜群の調査の中で、このような TCRγδ型でCD4分子を発現するという非常にまれな型のT細胞を分離し、クローン化することに成功した。成人末梢血中でもこのようなまれな型のT細胞が存在することを確認できたわけであるが、我々は、更に、これらの幾つかの株を用いて、TCRγδ型CD4+ T細胞の分子生物学的な解析と免疫学的機能について調べるとともに、これらの細胞の分化過程についても考察した。