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業績報告書(TR) 5-91

原爆被爆者における甲状腺癌発生率,1958-79年

秋葉澄伯,Lubin J,江崎治夫,Ron E,石丸寅之助,浅野正英,清水由紀子,加藤寛夫
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Biometrics 48:605-17, 1992
要 約
広島と長崎の拡大寿命調査集団で、1958年−1979年の間に甲状腺癌と診断された 112症例を調査した。甲状腺癌発生率と原爆放射線被曝との間には、統計的に有意な関連があった。1グレイ当たりの調整過剰相対リスクは 1.1(95%信頼区間0.3−2.5)で、調整絶対リスクは 104人年・グレイ当たり 0.59(95%信頼区間0.2−1.7)であった。相対および絶対リスクモデルから得られた最大対数尤度比(deviance)の比較に基づいて判断すると、単純な線形相対リスクモデルのデータへの適合性は、絶対リスクモデルよりまさっているように思われるものの、データが相対リスクモデルによく適合していると結論することは妥当でない。

成人健康調査(AHS)集団の対象者は1958年以来、2年ごとに放影研で検診を受けている。この集団の甲状腺癌発生率は、都市、性、対数年齢、暦年、DS86線量を調整すると、AHS集団を除く拡大寿命調査集団の発生率よりも 70%高い。線量−反応直線の傾きはAHS集団と非AHS集団で有意な違いはないが、1Gyにおける過剰相対リスク推定値はAHS集団で 1.6、非AHS集団で 0.3であった。リスクの上昇は女性に限られているようであり、また、発病時年齢や被爆時年齢が若い者ほどリスクが増加していた。