Menu does not appear
-- SiteMap

業績報告書(TR) 6-91

T細胞受容体αβ鎖を有する末梢血CD4-8-T細胞のフローサイトメトリーによる測定。1. 正常人集団および異常に高頻度を示した2例に関する結果

楠 洋一郎,平井裕子,京泉誠之,秋山實利
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Blood 79(11):2965-72, 1992
要 約
まれでおそらく異常と思われるT細胞、すなわち、T細胞受容体(TCR)αβ鎖 および CD3細胞表面抗原を有し、CD4 および CD8抗原を欠く、T細胞(フローサイトメトリーでは TCRαβ+CD4-8- 細胞として検出される)の検出を行った。TCRαβ+CD4-8- T細胞は、119名の正常人の末梢血TCRαβ+細胞中、平均0.63±0.35%の頻度で検出された。上記 119名以外に、非常に高い TCRαβ+CD4-8- T細胞頻度(TCRαβ+細胞全体の5−10%および14−19%)を示す異常な例が2名認められた。両名は、その他の点では生理学的に全く健康な男性で重篤な疾患の既往歴もなかった。さらにこのような高頻度は、2年 あるいは 8年前に採血した試料においても認められた。この2名の TCRαβ+CD4-8- T細胞は、三重染色フローサイトメトリーの解析によれば、成熟T細胞マーカーのCD2、3 および 5抗原のみならず、ナチュラルキラー(NK)細胞マーカーの CD11b、16、56 および 57抗原を発現していた。レクチン依存性あるいは逆方向抗体依存性細胞障害活性は、分離したばかりの TCRαβ+CD4-8- T細胞および試験管内で樹立されたクローンのいずれにも認められた。にもかかわらずNK様活性は検出されなかった。さらに、試験管内で樹立されたすべての TCRαβ+CD4-8- T細胞クローンについて、TCRβ および γ鎖遺伝子のサザンブロット解析はすべて同一の再構成パターンを示した。以上の結果は、この 2名の男性のTCRαβ+CD4-8- T細胞は独特な特徴を有し、生体内でクローン性に増殖していることを示している。