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業績報告書(TR) 13-91

原爆胎内被爆精神遅滞者の脳異常

Schull WJ,西谷 弘,蓮尾金博,小林卓郎,後藤幾生,大竹正徳
要 約
特定妊娠週齢における重度精神遅滞の増加は、小頭囲を伴う場合もそうでない場合も、広島・長崎の原爆胎内被爆が脳の発達に与えた最も顕著な影響であった。細胞死やニューロン移動異常など種々の生物学的機序がこの障害をもたらしたものと考えられる。ここでは、放射線に関連した脳障害を最も起こしやすい受胎期間である受胎後8−15週に被爆した精神遅滞者のうち、5名の脳の磁気共鳴画像診断による所見結果を示す。受胎後8週 または 9週に被爆した 2名については、異所性灰白質の大きな領域を認めた。これは本来の機能部位へのニューロンの移動ミスを示す強力な証拠である。受胎後12週 または 13週に被爆した 2名については明らかな異所性灰白質領域は認められなかったが、皮質領域の発達障害を意味する軽度の大回脳症を認めた。更に、両名の小脳延髄は巨大であった。最後に、脳発達のもっと後期の 第15週に被爆した 1名については、他の 4名に見られた変化は何ら認められなかった。またその脳は小さいが、構築は正常のように考えられた。

これらの所見を電離放射線に胎内で被曝した際に起こる発生学的事象の観点から考察した。