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業績報告書(TR) 14-91

成人健康調査集団におけるABO式血液型表現型と総血清コレステロール値との関係に関する経時的調査,広島・長崎,1958-86年

Wong FL,児玉和紀,佐々木英夫,山田美智子,Hamilton HB
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Genet Epidemiol 9:405-18, 1992
要 約
この調査は、日本人集団におけるABO式血液型表現型と総血清コレステロール値との関係を調べ、多くの西欧人集団で一貫して認められているようなコレステロール値の増加と表現型Aとの関連が、日本人にもあてはまるか否かを検討したものである。非白人集団におけるこの種の調査は極めて少ないが、入手できた報告は一般的にこのような関係を示しておらず、ABO式血液型表現型と血清コレステロール値の関係は人種間で異なることが示唆される。種々の人種についての横断的データでは、新生児から成人までの年齢群によって様々な結果が示され、ABO式血液型とコレステロールとの関係が有意でないというデータもある。このような不一致は、年齢の影響ではないかという疑問が起こった。また、脂肪摂取量または総コレステロール平均値が低い集団では、ABO式血液型とコレステロールとの関係が明らかでないという示唆もある。本調査では、広島・長崎の被爆者で、1958年から1986年までABCC−放影研の成人健康調査プログラムに参加した人から連続的に入手した総血清コレステロール値に関する長期データを調べることによって、上記の仮説を検証した。継続的な測定値を解析する縦断的統計手法である成長曲線解析法を用いて、各被検者のコレステロール値の年齢依存性変化をモデル化し、ABO式血液型の多型性が成長曲線を修飾する影響について調べた。その結果、日本人の表現型Aでは、非表現型Aと比較して総血清コレステロール値が平均で 約4mg/dL高く(p = .027)、また、この関係が成人初期から後期まで持続することが分かった。これによって、A型の人は、心臓血管疾患の主なリスクファクターの一つである血清コレステロール値の上昇により、心臓血管疾患に罹患しやすいと考えられるかもしれない。本調査は、日本人におけるABO式血液型とコレステロールとの関係に関する初めての調査であり、かつ長期的に入手された総血清コレステロールのデータが得られた集団についての最初の調査である。