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業績報告書(TR) 2-92

原爆被爆者における単クローン性ガンマグロブリン血症

錬石和男,吉本泰彦,Carter RL,松尾辰樹,市丸道人,三上素子,安部 勉,藤村欣吾,蔵本 淳
Radiat Res 133:351-9, 1993
要 約
1979年10月から1981年9月までと 1985年6月から1987年5月までに検査を受けた原爆被爆者について、原爆放射線に関した単クローン性ガンマグロブリン血症の解析を行った。全体的に単クローン性ガンマグロブリン血症の相対リスクの増加は見られなかった。第2回目の調査の良性単クローン性ガンマグロブリン血症だけ増加が示唆されたが、統計的に有意なものではなかった(p=.17)。第1回目の調査対象者 8,796人から 31例が発見され、第2回目の調査対象者 7,350人からは 68例が発見された。第1回目の調査で発見された31例のうち、9例(29%)が第2回目の調査前に死亡している。内訳は癌が4人、血管疾患が4人、感染症が1人である。両調査で検査された良性単クローン性ガンマグロブリン血症の8症例のうち、4例に残余免疫グロブリンの抑制がみられ、単クローン性ガンマグロブリン血症の進行を示唆している。

この二つの調査において、被爆者の単クローン性ガンマグロブリン血症の全体的な相対リスクには、放射線の増加にともなう有意な増加は認められなかった。1985年から1987年にかけての良性単クローン性ガンマグロブリン血症だけが放射線量とともに増加していることが示唆された。同期間の良性単クローン性ガンマグロブリン血症の相対リスクは、被曝線量0.01から0.49 Gyのグループで2.64、0.50 Gy以上のグループで2.14であった(95%の信頼区間はそれぞれ0.90−8.82と0.69−7.31である)。