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業績報告書(TR) 8-92

原爆被爆者のG0期リンパ球の試験管内線量生存率反応:高線量群における集団偏向の検査

中村 典,Sposto R,秋山實利
編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Radiat Res 134:316-22, 1993
要 約
末梢血リンパ球に試験管内でX線を照射し、コロニー法による線量生存率調査を行った。AHS対象者でDS86線量が 0.005Gy未満の 117名と、1.5Gy以上の 84名についての調査の結果、平均D10値(90%の細胞を殺すX線線量)とその変動係数(CV)は前者で 3.40Gy(CV=7.5%)、後者で 3.34Gy(CV=7.8%)であった。両者の間に統計学的な有意差は認められなかった。また、試験管内におけるリンパ球の放射線感受性には、調査対象者のいづれの群においても、また、全員まとめてみても、性別や年齢による影響は認められなかった。したがって、G0期リンパ球のコロニ−法に関するかぎりは、原爆被爆者の高線量被曝群の中から、特に細胞の放射線感受性の高い人が多く亡くなったという証拠は得られなかった。留意すべき点は、ここで観察された細胞の放射線感受性の個人差は、実験間の変動と比較して大きいものではなかったことである。したがって、上記の結果は、リンパ球の放射線感受性に関する個人差が被爆者間で大変少ないことによるものと解釈されるべきものである。