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業績報告書(TR) 12-92

長崎原爆被爆者における甲状腺疾患

長瀧重信,柴田義貞,井上修二,横山直方,和泉元衛,嶋岡勝太郎
JAMA 272(5):364-70, 1994 ; JAMA日本語版 15(12):64-73, 1994
要 約
目的 放影研の長崎成人健康調査コホートにおける甲状腺疾患の現状を明らかにすること。

計画 調査研究。

背景 長崎。

参加者 1984年10月から1987年4月にかけて 2年に1度の定期検診を受けた長崎成人健康調査の対象者(2,856人)。広島で被爆した者、胎内被爆者、および原爆投下時に長崎にいなかった者を除くと 2,587人が残った。1986年に確立された線量推定方式による甲状腺被曝線量は、対象者 2,587人のうちの 1,978人について利用可能であった。

主要検討項目 超音波診断を含む統一された手順を用いて甲状腺疾患を診断した。それぞれの甲状腺疾患の有病率と甲状腺被曝線量、性、および年齢との関係をロジスティックモデルを用いて解析した。

結果 癌、腺腫、腺腫様甲状腺腫および組織学的診断のない結節を含む充実性結節、ならびに抗体陽性自然発生甲状腺機能低下症(自己免疫甲状腺機能低下症)においては有意な線量反応関係が認められたが、他の疾患では認められなかった。充実性結節の有病率は単調な線量反応関係を示したが、自己免疫甲状腺機能低下症の有病率は 0.7±0.2Svで最大レベルに達する上に凸の線量反応を示した。

結論 本研究では線量の増加に伴う充実性結節の有意な増加が認められ、以前の研究結果が確認された。また原爆被爆者における自己免疫疾患の有意な増加が初めて認められた。上に凸の線量反応関係は、甲状腺疾患に対する比較的低線量の放射線の影響に関する研究を更に行う必要のあることを示している。