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業績報告書(TR) 14-92

原爆被爆者血清中の抗Epstein-Barrウイルス抗体価に関する研究

秋山實利,楠 洋一郎,京泉誠之,尾崎恭子,水野正一,Cologne JB
RadiatRes 133:297-302, 1993
要 約
過去の放射線被曝がウイルスの潜在感染に対する免疫能に及ぼした影響を評価する目的で、372人の原爆被爆者の血清について Epstein-Barr(EB)ウイルス抗原に対する抗体価を測定した。早期抗原に対する IgG抗体の高抗体価(≧1:40)を示した対象者の比率は、被爆者で有意に高かった。更に抗ウイルスカプシド抗原に対する IgM抗体の抗体価の分布は被曝線量によって有意な影響を受け、1:5 および 1:10という抗体価を示す被爆者が増加していた。しかしながら、この線量効果はリウマチ因子を保有する個体を解析から除外するとかろうじて示唆される程度であった。これらの結果は、潜伏期におけるEBウイルスの再活性化が被爆者でより頻繁に起こっていることを示唆している。しかし、これが放射線量により影響を受けているとは思えない。そのほかでは、ウイルスカプシド抗原に対する IgG抗体の高抗体価(≧1:640)を有する被爆者の比率に上昇傾向は見られず、また、放射線被曝と抗ウイルスカプシドIgA抗体あるいは抗EBウイルス関連核内抗原抗体の抗体価の分布との相関も見られなかった。