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業績報告書(TR) 15-92

原爆被爆者における大腸癌発生率,1950-80年

中塚博文,清水由紀子,山本 務,関根一郎,江崎治夫,田原栄一,高橋 信,下山孝俊,持永信夫,富田正雄,土屋凉一,Land CE
J Radiat Res (Tokyo) 33:342-61, 1992
要 約
寿命調査集団における1950年から1980年までの大腸癌発生率について調べた。合計 730例の大腸癌症例が種々の資料から確認された。このうち 62%は顕微鏡下で確認されており、死亡診断書のみで確認されたのは 12%であった。

結腸癌のリスクは、大腸線量と共に有意に増加していたが、直腸癌については明確なリスクの増加は観察されなかった。結腸癌について、1Svにおける相対リスクおよび 104人年Sv当たりの過剰リスクは、それぞれ 1.80(90%信頼区間 1.37−2.36)、0.36(90%信頼区間 0.06−0.77)であった。結腸癌発生率と放射線量との関係は、都市、性によっては異ならないが、そのリスクは被爆時年齢の増加と共に減少した。結腸癌の相対リスクは、被爆後の期間によって特に変化は見られなかった。非線形の線量反応関係を適用しても適合度には有意な改善は見られなかった。更に、結腸における癌の部位、つまり盲腸と上行結腸、横行結腸と下行結腸、およびS状結腸のそれぞれにおける癌発生と放射線との関連には差は見られないようであった。また、腫瘍の組織型分布の被曝線量による差は観察されなかった。