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業績報告書(TR) 18-92

原爆被爆者における血清副甲状腺ホルモンおよびカルチトニン値

藤原佐枝子,Sposto R,白木正孝,横山直方,佐々木英夫,児玉和紀,嶋岡勝太郎
Radiat Res 137:96-103, 1994
要 約
前回の予備解析で得られた、血清カルシウム値の原爆放射線量増加に伴う増加の原因を調査するため、広島、長崎の 1,459人の対象者について、血清副甲状腺ホルモン(PTH)、およびカルチトニンの値を調べた。カルシウム、PTH、およびカルチトニン値は、副甲状腺機能亢進症の患者を除いても、放射線による有意の影響を認めた。血清カルシウム値は、放射線量が増加するに従って高くなった。このカルシウム値の増加は、一部は、放射線線量増加に伴うPTH値の増加で説明できた。しかし、カルシウム値に対する線量の影響は、PTH、カルチトニン値、および腎機能、血清アルブミン値、薬剤などの交絡因子を補正してもなお認められた。PTHは、はじめは 1Gy当たり 6.8%増加したが、約1Gyを超すと線量反応は横ばいとなった。カルチトニン値は、放射線線量と共に増加し、恐らくその一部は、血清カルシウムの増加に刺激されたフィードバック機構によると考えられた。しかし、血清カルシウム値を補正してもなお、線量に伴うカルチトニン値の増加は認められた。放射線被曝がカルシウム、PTH、カルチトニンに与える影響の病因論的機序は明らかではないが、放射線被曝は、被曝後何年も経って、PTHやカルチトニンの分泌およびカルシウム調節に影響を及ぼす可能性がある。