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業績報告書(TR) 20-92

放射線関連肺癌:ウラン鉱山労働者および広島・長崎の原爆被爆者における肺癌組織の比較

Land CE,下里幸雄,Saccomanno G,徳岡昭治,Auerbach O,建石龍平,Greenberg SD,楠部 滋,Carter D,秋葉澄伯,Keehn RJ,Madigan P,Mason TJ,徳永正義
Radiat Res 134:234-43, 1993
要 約
日米の肺病理学者から成る委員会が、日本の原爆被爆者と米国のウラン鉱山労働者で肺癌と診断された症例の組織標本を検討し、組織学的な詳細な分類を行った。所属集団、性別、年齢、喫煙歴および放射線被曝の程度が検討者に分からないようにして、ウラン鉱山労働者92人、原爆被爆者108人のスライド標本について盲検が行われた。扁平上皮癌、小細胞癌、腺癌などの主要組織型、およびよりまれな組織型について診断を下し、一致が得られた。結果は集団、放射線量、喫煙歴に関して解析した。予想したとおり、扁平上皮癌の比率は、両集団共に喫煙歴と正の関係にあった。小細胞癌および腺癌の相対頻度が両集団で非常に異なっていた。この差異は、放射線量、特に、発表されたデータに基づく線量を基礎とした相対リスク推定値によって十分に説明できた。放射線誘発癌は、両集団共に小細胞性のものが多く、腺癌は少ないようであった。データを見る限り、放射線の線質(α粒子とガンマ線)、全身性または局所被曝、吸入放射線源または外部放射線源、あるいはその他の集団の差などの形で更に説明を行う必要はないように思われた。

付録.ウラン鉱山労働者および原爆被爆者の肺癌についての二国間合同調査における主要診断の再現性

Keehn R,Auerbach O,楠部 滋,Carter D,下里幸雄,Greenberg SD,建石龍平,Saccomanno G,徳岡昭治,Land C
Am J Clin Pathol 101:478-82, 1994
要 約
日米各4人の病理学者から成る検討会は、208件の肺新生物を調べ、肺腫瘍組織型についての世界保健機関(WHO)勧告第2版に従ってその分類決定を行った。調査計画に基づき、各病理学者の単独検討による評価に続いて、グループによる評価が行われた。本報告は、個々人の評価と、WHO勧告分類基準の再現性に対するそれらの兼ね合いについて報告したものである。症例の 76.4%について、主要(第1桁)診断の一致(6人以上の合意)が見られた。小細胞癌の主要診断を受けた症例の診断の一致率は 72.5%、腺癌および扁平上皮癌の一致率はそれぞれ 56%、48%であった。アメリカの病理学者が大細胞癌の診断を下す頻度は日本の病理学者の2倍であり、これが唯一有意な日米の差であった。副次(第2桁)診断カテゴリーに関しては一致率ははるかに低かった。この調査は、肺癌分類の再現性が相変わらず困難であることを示している。