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業績報告書(TR) 24-92

原爆被爆者における癌発生率。第3部 白血病,リンパ腫および多発性骨髄腫,1950-1987年

Preston DL,久住静代,朝長万左男,和泉志津恵,Ron E,蔵本 淳,鎌田七男,土肥博雄,松尾辰樹,野中博章,Thompson DE,早田みどり,馬淵清彦
Radiat Res 137S:68-97, 1994
要 約
本報では、1950年後期から1987年末までの、原爆被爆者寿命調査(LSS)集団における白血病、リンパ腫および骨髄腫の発生率データ(被爆者 93,696人、2,778,000人年)の解析を行った。この解析は、前回の包括的報告書のデータに、白血病調査については9年、骨髄腫調査については12年の追跡調査期間を加えたものである。この集団のリンパ腫発生率データの解析は本報で初めて行った。白血病登録と広島・長崎腫瘍登録を利用し、白血病 290例、リンパ腫 229例、骨髄腫 73例を確認した。主要解析は、市内あるいは周辺地域に居住し、一次原発性腫瘍と診断され1986年線量推定方式によるカーマ線量推定値が 0−4Gyの被爆者に限定した(白血病231例、リンパ腫 208例 および 骨髄腫 62例)。過剰絶対リスクの時間従属モデルに解析の重点を置いた。急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、および成人T細胞性白血病(ATL)について別々に解析を行った。この集団には慢性リンパ性白血病はほとんど存在しなかった。明瞭な放射線誘発リスクがATLを除く全病型について認められ、被爆時年齢と性別による影響およびリスクの経時的パターンに関して、病型間に有意な差を認めた。AMLの線量反応関数は非線形を示したが、その他の病型については線形性を否定する証拠は認められなかった。白血病病型の追跡期間全体の平均過剰絶対リスク(EAR)の推定値(104人年シーベルト当たりの症例数)はそれぞれ、ALLが 0.6、AMLが 1.1、CMLが 0.9であった。1シーベルトにおける推定平均過剰相対リスクはそれぞれ、9.1、3.3、6.2 であった。男性のリンパ腫リスクには増加を幾分認めたが(EAR=0.6症例/104人年シーベルト)、女性には増加を認めなかった。我々の標準解析では、多発性骨髄腫の過剰リスクは認められなかった。