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細胞遺伝学調査

放射線が細胞の染色体に異常を引き起こすことは以前からよく知られています。こうした異常の発生頻度は放射線量と共に増加し、ある種の異常は一生残るため、ヒトの血液リンパ球中の染色体異常頻度は人体が受けた放射線被曝の指標として役立ちます。細胞遺伝学プログラムでは、成人健康調査 に参加した原爆被爆者の一部の人を対象に幾つかの方法を使って染色体異常の調査を行っています。従来使用されてきたギムザ染色法では顕微鏡を使って異常を観察することが可能であり、すべての染色体異常のほぼ3分の2を検出することができます。

ギムザ染色法を用いた広範囲な染色体調査が約16,000人の被爆者の子供についても行われました。

現在、遺伝学部細胞遺伝学研究室では蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法を用いて原爆被爆者の染色体を調査しています。異なる色を使って染色体を着色することを含めた一連の操作の過程で、異常がある場合には染色体が複数の色の断片により構成されて検出されるため、異常が明らかになります。このFISH法は以前のギムザ染色法と比べて、迅速かつ正確に異常を検出することができます。

細胞遺伝学の手法ではありませんが、歯エナメル質の電子スピン共鳴(ESR)法が放射線被曝のもう一つの指標として使われてきました。1995年にESR測定装置が細胞遺伝学研究室に設置され、これまでに被爆者から提供された数百本の歯試料について調査が行われました。ESR法は個人線量を推定するための有力な方法であり、これまでに得られた所見は被爆者の染色体異常に関するデータを裏付けるものとなっています。