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研究計画書 1-17

原爆被爆者における造血器悪性腫瘍発症時の同定に関する研究

要 約
近年のゲノム研究技術の進歩により、末梢血などの臨床試料から低割合のゲノム異常を同定できるようになった。ほとんどの骨髄系造血器腫瘍で、形質転換した細胞はゲノム変異を有するため、もし急性骨髄性白血病(AML)や骨髄異形成症候群(MDS)の発症前から末梢血などの試料が前方向視的に収集されていれば、こうしたゲノム解析手技は骨髄系造血器腫瘍の発生初期の解析にも利用できると考えられる。しかし、一般に白血病やMDSの発症頻度が低いことを考えると、こうした試料を得ることはほとんど不可能である。
原爆被爆者はAMLやMDSでみられるように、一般の非被爆者と比較して被爆後50年を経ても造血器腫瘍発症のリスクが高い。放影研の成人健康調査(AHS)研究に参加している被爆者は、2年ごとに末梢血試料が保存されている。MDSを発症したAHS参加者の試料を次世代シーケンス解析技術で解析することで、骨髄系腫瘍の発症を同定することが可能となる。この研究は、どのように骨髄系造血器腫瘍が発症してくるのか、という未だに答えられていない重要な問いに回答を与えることができると考えられる。さらに、被曝線量により発症がどのように異なるかを検討することで、放射線による骨髄系造血器腫瘍発症メカニズムについても新たな知見を得ることができる。