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原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響

電離放射線が雌雄の生殖細胞のDNAに傷害(突然変異)を引き起こすと、傷害が次の世代(F1)へと受け継がれる。これに対して体細胞に生じた突然変異は次の世代に伝わることはない。

ヒトの生殖細胞突然変異検出は、特に低線量では困難である。動物実験では高線量を照射すると子孫に様々な障害(出生時障害、染色体異常など)が起こるが、これまでのところ原爆被爆者の子供に臨床的または潜在的な影響を生じたという証拠は得られていない。両親の平均被曝線量が比較的低いこと(被曝線量の中央値は父親母親ともに約0.14 Gy)を考慮すれば、この結果は驚くべきことではない。事実これはマウスを用いた実験からの予測と一致しており、遺伝的変化に関する限り、ヒトは放射線に対してマウス以上に高い感受性を示すわけではないことを示唆している。

表には1940年代後半からABCC−放影研で実施してきた原爆被爆者の子供に関する幾つかの遺伝調査を示す。現在はF1集団の死亡追跡調査を継続するとともに、F1臨床健康診断調査、被爆者とその子供から提供された細胞のDNAを用いて様々な分子レベルの調査を行っている。
表. ABCC−放影研における原爆被爆者の子供の遺伝学的調査
調査項目
集団の人数
出生時異常(死産、形態異常など)
77,000
体重
72,000
性比
141,000
染色体異常
16,000
蛋白質電気泳動
24,000
死亡率、がん発生率(継続中) 77,000
臨床健康診断調査 12,000
DNA 調査(継続中) 1,000家族
(1,500人の子供)
遺伝的影響に関する詳しい説明をご覧になりたい方は次の項目を選んでください。

出生時障害
男女比
染色体異常
血液蛋白質の突然変異
DNA調査
死亡率およびがん発生率