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蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)

遺伝学部
これは1980年代後半になって開発された技術で、特に転座型染色体異常の検出に威力を発揮する。

この方法の開発にあたっては、ヒトの染色体を分離収集することが必須であった。こうして得られた各染色体のDNAを細切れにして、大腸菌に入れ増幅させる。するとヒトのそれぞれの染色体に由来するDNAが大量生産できる。

こうしたDNAに蛍光色素をつけて、分裂期細胞における染色体標本の上でDNA同士が互いに相手を見つけてくっつくようにする(ハイブリダイゼーションと言う)と、特定の染色体だけに色をつける(着色)ことができる。(DNAは同じ塩基配列のもの同士は互いにくっつきやすい性質がある。)

こうして FISH により着色された染色体(例えば黄色)は、それ以外の染色体(例えば赤)と一部を交換していると(相互転座と呼ばれる)、部分的に黄色と赤になった染色体が観察されることになる。通常は、こうした2色の染色体は1対(2本)観察される。(相互に染色体の一部を交換しているため)

相互転座はギムザなどの色素で染色体を染色して観察する場合には、大変発見が難しい。例えば、同じ長さの断片が互いに交換を生じた場合を考えると、染色体の形、長さはまったく正常のものと区別がつかない。しかしこうした異常でも FISH を利用すれば2色の染色体として転座を簡単に検出できる。
図. FISHによる染色体着色の例

この場合には染色体 1番、2番、4番を FISH により黄色に着色した。DNAを赤に染める色素を用いて、黄色の染色体と赤の染色体との間の転座を検出している。左は正常の細胞で、合計6本の黄色染色体が存在する。図中の数字は、染色体番号を示している。右は転座の1例で、赤と黄色の部分から成る染色体が2本観察される(矢印)。