• 市民公開講座

長崎で第1回市民公開講座を開催

長崎で行われた第1回市民公開講座

放影研は、7月16日(土)午後1時30分から4時まで、長崎での「第1回市民公開講座」を長崎原爆資料館ホールにて開催した。この市民公開講座は、被爆者をはじめ一般市民の皆様に、原爆放射線の健康影響に関する放影研の長年にわたる研究の成果を分かりやすく説明し、市民と放影研との交流の場にしようと企画されたものである。会場には180人以上の市民が集まった。

公開講座では二つの講演が行われ、最初に児玉和紀主席研究員が「放射線とがんのリスク」と題して、白血病を含めたがんのリスクが放射線被ばくによってどのくらい増えるのか、長期健康影響調査の結果を基に解説した。次に中村 典主席研究員が「これまでに行われてきた被爆者の子どもの調査」と題して、出生時の異常、染色体の異常、死亡率、がんの罹患率などの調査結果を紹介した(いずれの調査でも親の放射線被ばくの影響は観察されていない)。

開会に当たっては、大久保利晃理事長の挨拶に続いて、前日に福島県立医科大学の副学長に就任された山下俊一先生(前 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長)からのメッセージを同大学原爆後障害医療研究施設長の永山雄二先生に代読いただいた。また、質疑応答に入る前に、特別発言が長崎原爆病院院長の朝長万左男先生からあり、長崎と放影研とのかかわりを話していただいた。質疑では、内部被ばく、外部被ばくなど原発事故に関連する質問を含め、数多くの質問が会場から寄せられ、閉会後も会場に残って質問される熱心な市民の姿が見られた。