contents.txt    1994年10月14日

 これらのファイルは、1958-87年における固形がんと、1950-87年における白血病、
リンパ腫および骨髄腫に関する、LSSがん罹患率解析に用いられたデータの詳細な表
および文書です。Thompsonらの癌発生率 第2部 充実性腫瘍(Radiation Research
137別冊:11-67,1994)ならびにPrestonらの癌発生率 第3部 白血病、リンパ腫
および多発性骨髄腫(Radiation Research 137別冊:68-97,1994)に、これらの
データに関する放影研の解析結果が記載されています。

 Thompsonらの解析 (Radiation Research 137別冊:11-67、1994)では、各臓器線量に対して
それぞれ人年計算が行われました。ここにある固形がんの表は結腸線量を用いて作成された
ものです(TR87DATA.DAT)。他の臓器についても線量に基づく解析が行えるよう、都市
および被爆時年齢別の臓器線量の補正係数表をつけています(DS86ADJF.DAT)。 ここに
ある白血病、リンパ腫および骨髄腫の表は骨髄線量を用いて作成されたものです
(HEMA87.DAT)。

データファイル    内容

TR87DATA.DAT    LSS固形がん罹患率ファイル
DS86ADJF.DATA   臓器線量補正係数ファイル
HEMA87.DAT      白血病罹患率ファイル

記録文書
DOCUMENT.TXT    上記三つのデータファイルに関する記録文書
CONTENTS.TXT    全ファイルの説明

標本解析スクリプトファイル
TR87DATA.SCR    TR87DATA.DATを読むためのスクリプトファイル
TR87MOD.SCR     基本モデルの当てはめを行うためのスクリプトファイル
DS86ADJF.SCR    DS86ADJF.DATAからの係数を用いた他の臓器線量
                計算用スクリプトファイル
HEMA87.SCR      HEMA87.DATを読むためのスクリプトファイル
HEMAMOD.SCR     白血病、リンパ腫および骨髄腫の基本モデルの
                当てはめを行うためのスクリプトファイル

標本解析ログファイル
TR87DATA.LOG    TR87DATA.SCRとTR87MOD.SCRのログファイル
HEMA87.LOG      HEMA87.SCRとHEMAMOD.SCRのログファイ

 固形がんおよび白血病のデータセットは、人年、症例数、および個々の被爆者に関するデ
ータの要約の詳細な数値表です。固形腫瘍データセットの調査集団には80,206人の、白血
病データセットの集団には86,594人の被爆者に関するデータが含まれています。これらの
総数にはDS86遮蔽カーマ推定値が4 Gyを超える被爆者も含まれています。データセットは、
出版された報告書でなされているように、合計遮蔽カーマ推定値が4 Gyを超える被爆者を
外し易いように構築されています。

 固形腫瘍データセットは広島・長崎の腫瘍登録からのデータならびにLSS死亡追跡調査
データに基づいています。腫瘍登録は1958年まではなかったので、追跡調査は1958-87年
の期間に限られています。白血病、リンパ腫および骨髄腫罹患率に関する主な情報源は
ABCC-放影研の白血病登録ですが、広島・長崎腫瘍登録からもデータを入手しました。白血
病データセットにかかわる追跡調査は白血病登録データが利用できたので、1950年10月1
日から始まります。この二つのデータセットにある被爆者数の違いは、追跡期間の開始日が
異なっているためです。前述の論文の柱となっている解析と同様、症例数は登録対象地域で
診断された一次原発がんに限られています。

 個々の被爆者に関するデータは、都市、性、被爆時年齢(5歳間隔)、暦年、線量で層化
し、これらのデータセットを作成しました。白血病データセットにある線量区分は骨髄合計
線量に基づいており、固形がんの表にある線量区分は結腸合計線量に基づいています。白血
病データセットはPrestonらの解析で用いられたものと同じです。固形がんデータセットは、
全固形腫瘍をまとめて行った解析および結腸がんリスクの解析で用いられたものと同じで
す。しかし、Thompsonらのその他の部位別解析は、適切な臓器線量で区分されたデータの
基本様式と同じ様式のデータセットに基づいています。これらすべてのデータセットを配
ることは実際的ではありません。しかし、前述のようにこの中には、他の臓器線量推定値
計算に使える都市・被爆時年齢別の変換係数が入っており、それを算出する方法をわかり易
く説明したコマンドスクリプトも入っています。

 主要なレコードファイルにあるそれぞれのレコードには、性、都市、臓器線量区分、被爆
時年齢区分、暦年期間、その他の因子を表した指標などが含まれています。これらの表にあ
る各レコードの基本データには、人年、転出入補正後の人年、調査対象者数、平均到達年齢、
被爆時年齢、被爆後経過時間、および年が含まれています。線量はガンマ線と中性子線の臓
器線量の平均値と生物効果比を10とした場合の臓器線量の平均値で要約したものです(ガ
ンマ線量に中性子線量の10倍を加えたもの)。固形腫瘍の表には、全固形腫瘍を一つにま
とめたものと、31の特定の腫瘍タイプ別のもの、それぞれについての症例数が含まれています。
白血病の表には、リンパ腫全体、非ホジキン性リンパ腫、多発性骨髄腫、白血病全体、急性
骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、成人T細胞性白血病の症例数が
記載されています。

 固形腫瘍データセットには3,249のレコードがあり、白血病データセットには4,894のレ
コードがあります。ファイルはASCIIテキストファイルで、レコードには決まった様式があ
り、フィールドは表計算やその他のデータ解析プログラムに簡単に読み込むことができるよ
う空白で分けられています。

 データファイルそれぞれの内容についての詳細な文書に加え、出版されたがん罹患率報告
書の解析に用いたモデルへの当てはめを行うためのEPICUREコマンドスクリプトとログフ
ァイルもディスクに入っています。これらのスクリプトを用いて当てはめを行うことができ
るモデルには、固形がんの標準過剰相対リスク推定値を求めるために用いたモデル、ならび
に白血病全体、非ホジキン性リンパ腫、多発性骨髄腫の過剰絶対リスクモデルがあります。
これらのスクリプトにはまた、データの読み方および結腸線量推定値を他の臓器線量推定値
へ変換する方法が説明してあります。

 このデータを、研究論文や業績報告書など、何らかの出版物のための解析の基盤として使
用する場合には、原稿に謝辞を加えなければなりません。謝辞は以下の通りとします。

    用いたデータは、広島および長崎の放射線影響研究所(放影研)から入手したものである。
    放影研は、日本の厚生労働省ならびに米国の学士院を通じてエネルギー省により資金提供
    を受けている公益法人である。この報告書に示した結論は著者のものであり、必ずしも
    放影研またはその資金提供機関の判断を反映するものではない。

 これらのデータを用いて書いた論文の別刷りを1部、下記宛にお送りください。

    〒732-0815
    広島市南区比治山公園5-2
    放射線影響研究所
    情報技術部 図書資料課 資料係


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