ヒト・ゲノムの4段階図解

生殖細胞(配偶子)および成熟した赤血球を除いて、人体のすべての細胞は23対の染色体を有しています。それは圧縮され絡み合ったDNAの束です(矢印 1,2)。それぞれ一連のDNA鎖は、リン酸群、糖(デオキシリボース)、および塩基(グアニン、シトシン、チミン、アデニン)で構成される単位ヌクレオチドが繰り返し連なってできています(矢印 3)。通常DNAは非常に規則的な2本の鎖で構成されるらせん構造をしており、2本鎖はグアニンとシトシンおよびチミンとアデニンの間で水素結合により結びつけられています。こうした結合のそれぞれは一つの塩基対であり、ヒト・ゲノムは約30億の塩基対からできています。これら塩基対の結合の特異性がここに図解されているDNA複製の機序の基礎となっています。二重らせん鎖のそれぞれの鎖は新しい鎖の合成のための鋳型となり、それぞれの鎖のヌクレオチド配列(塩基の直線的な配列)は厳密に決定されます。新しくできた二重らせん鎖はそれぞれ相同であり、親のそのままの複製です。

(図と説明はローレンス・バークレー研究所ヒト・ゲノム・センター、米国カリフォルニア州バークレー市提供)

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