マイクロサテライト

DNA配列中には、2-5塩基対の反復単位が数個から数十個繰り返した反復配列があり、マイクロサテライトと呼ばれています。ゲノム中に偏りなく広く存在しているので、通常はゲノム分析のマーカーとして利用されます。しかし、3塩基対(トリプレット)の繰り返し数が異常に増大することが原因で生じる病気もあり、脆弱X症候群、ハンチントン病などの遺伝病が報告されています。脆弱X症候群ではCGG、ハンチントン病ではCAGトリプレットの数が増大していますが、反復数の変化はメンデルの遺伝法則に一致せず、同一家族の成員中や、同一人の細胞間でも多様性を示す場合もあります。遺伝性非ポリポーシス大腸癌では、マイクロサテライトの不安定性(反復数が異常に変化する)が報告されています。マイクロサテライトの放射線に対する安定性については他に報告がありません。

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