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放影研元理事長の長瀧重信(ながたき・しげのぶ)氏が2016年11月12日(土)に84歳の生涯を閉じられました

放影研理事長室にて、1998年

 放影研元理事長の長瀧重信(ながたき・しげのぶ、放射線影響協会理事長・長崎大学名誉教授)氏が2016年11月12日(土)に84歳の生涯を閉じられた。長瀧元理事長は東京大学医学部医学科を卒業後、同大学院で医学博士号を取得され、その後、原爆被爆者における甲状腺がんの研究や1986年4月に起きたチェルノブイリ原発事故の放射性ヨウ素による小児甲状腺がんの調査など、放射線による甲状腺がん発症の研究をライフワークにしてこられた。特に長崎大学教授を定年退官後には、チェルノブイリ原発事故の健康影響調査を目的とする国際的な取り組み(世界保健機関、国際原子力機関、欧州連合等)に参加された。1997年7月1日から2001年6月30日までの放影研理事長の職にあっては、広島・長崎両研究所の運営に力を注ぐだけでなく、若年被爆者の甲状腺がん発症についての基礎研究の推進と若手研究者の育成に当たられた。2011年3月に発生した福島原発事故後は現地のコミュニティーの回復を目指した複数の政府関連委員会で座長などを務められ、2016年9月末に開催された「第5回放射線と健康についての福島国際専門家会議」において甲状腺がんに関する活発な討議を主導しておられた。そのような中でのこのたびの急逝は、誠に残念と言わざるを得ない。