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被爆者のがんリスクについて発表

論文の題目

論文について発表するグラント主席研究員(左奥)

 

エリック・グラント主席研究員が他の放影研研究員や米国の研究者と共同で著した論文「原爆被爆者の寿命調査における固形がん罹患:1958-2009」に関する記者会見が2017年5月17日、広島研究所で行われました(長崎研究所はテレビ会議の形式で参加)。

今回の調査で、放射線被曝後60年以上経過しても固形がんリスクは高いことが示され、長期的調査に関するこれまでの論文の結果を支持するものとなりました。 また今回の論文では、主要な放影研報告書として初めて喫煙の発がん影響について調整を行いました。喫煙には強力な発がん作用がありますが、その影響は被爆者の全線量域にわたり均一に分散していました。言い換えると、喫煙の影響を解析から除外しても、放射線リスク推定値は喫煙の影響を除外する前の数値とほぼ一致していました。これにより、喫煙は、がんの頻度を上昇させる一方で、放射線によるがんのリスクにほとんど影響を及ぼさなかったことが分かります。

この論文は米放射線影響学会の学術誌にも掲載されました。論文の概要をまとめた短文解説は、下記からご覧ください。 

全論文(英語のみ)はこちらから無料でダウンロードできます。
http://dx.doi.org/10.1667/RR14492.1